野焼きについて
野焼きについて(準備から焼成まで)
野焼きのやきものの薦め
”実用”というよりは、古代からの知恵を借りて「自然の偉大さ」や「もの作り文化」を身近に感じるために、野焼きによる作品づくりをやってみましょう。
野焼きのこんなところが良い!
やきものとしては低温焼成のため、比較的短時間で焼き上がり、”やきもの”を身近に感じるよいきっかけとなる
焼かれていくさまを肉眼で見ることができ、自然(臨場感あふれる炎)との関わりを楽しめる
身近な土を使うこともでき、原料から焼き上げまで主体的に関われるため、大きな達成感がある・・な
●万全な準備がいるワケ
野焼きは天候や自然の条件に任せて行うため、失敗やリスクの高い焼き方です。
1. 作品の乾燥不足や急熱、急冷による破裂、他のものとの接触による破損が多い
2. 突風やにわか雨による予期せぬ危険を伴う
3. 裸火によるやけどや日焼け、体力や水分の消耗による衰弱が大きい
4. 火災の危険性や高熱が周辺に及ぼす悪影響
5. 熱効率の悪い燃焼方法
身の回りのやきものは多かれ少なかれこのような条件を経て、味わいある作品となるわけですから、自らが焼いてみることは貴重な経験となります。
●準備の要点
▼当日の心構え(スタッフ)
1. チーフ(焼成責任者)の指示に従うこと
2. 寝不足や風邪などに注意し、余裕もったスケジュールで行動すること
3. 自然に対し謙虚な気持ちで参加(同席)し、安全のためにも注意散漫なムードを作らないこと
▼焼成参加者のみじたく ※焼成参加者とはスタッフのサポートをするかたのことです
1. 火に強い素材の長袖(又は腕カバー)、長ズボン、長靴、軍手2枚重ね(又は溶接用の牛手など)、麦わら帽(頭、耳、首をおおう)、タオル3枚以上(目だけを開けて顔をおおったり、汗を拭く予備)(B↓)
2. (持ち物)飲み物、着替え
3. 昼食は交代でとります
▼見学するかたへ
1. 自然に対し謙虚な気持ちで参加してください。安全のためにスタッフの邪魔にならないよう注意してください。
2. 窯や燃料、道具に近寄らないようにしてください。
3. 地区住民の迷惑になる行為は絶対に避けてください。
4. ※以上守れないかたは、ご遠慮いただきます。事前にエントリーしない方の焼成の参加はできません
▼窯場や燃料の準備(要点)
窯場は(直径6〜7m前後)草を刈り、当日湿り気がないように乾かし、刈った草は処理しておく(引火の危険があるため)。雨が降りそうなら2〜3日前からおおいをしておく
燃料の薪もしめらないようにしておく
燃料の種類:焚きつけ用の小枝。焼成のメインは丸太(直径20cm前後×約180cm×50本程度)(A↓)。攻め焚き(最終の高温を維持する)用の小割りか燃えやすい材木の端材又は杉の小枝など。(A↓)
おき(炭)をならすためのレーキ、作品を動かすための長い棒(2m以上1本)、作品を炙る時に必要な長い板(コンパネを切る)、あれば火ばさみ
火災対策:消火のためのバケツの水、放水ポンプなど
●焼成計画のフォーマット(高さ20cm鉢形で厚さ1cm前後の作品20点程度の参考)
▼集合
- 1. 8:00…点呼、役割の確認〜窯場の準備(覆いを取る、草や周囲の清掃、薪などの燃料の確認、道具の確認)
2. 8:15…作品の陳列、確認
3. 8:30…安全祈願。準備ができ次第点火
▼焼成
- 1. 9:00…点火〜炙り焼|火から1m以上離したところに板を固定し作品を並べる。風向きを確認し臨機応変対応する。(C↑)
2. 〜10:00…水平360度まんべんなく回転させながら焼く。素手で触れないくらい熱くなる。決して急いで火に近づけないこと。
3. 〜11:00…直立のものは、倒して上部底部も焼く。※厚みのある作品は2.〜3.の時間を長くする
4. 11:00…板をはずし、火に近づけながらムラなく炙る。(炙り足りない作品がないように調整)
5. 11:30…作品を炎から少し離し中央のおきを幅1mほどよける。(D↓)→作品を設置する。→炎が直接作品に触れない距離で薪を少しずつくべる(急がない!)
6. 12:00…少しずつ火力をあげながら、作品のに炎を近づけていき、縦長の作品は倒す。〜燃えやすい燃料でさらに火力を上げ、薪くべを完了させる(E↓)(13:00)
7. そのまま炎がおさまるのを待ち、平均に燃やし適度なタイミングで作品を窯から取り出す。(急冷に注意)
8. 14:00…焼成終了 〜消火と後片付け