野焼きについて
野焼きについて(準備から焼成まで)
1.野焼きのやきものの薦め
”実用”というよりは、古代からの知恵を借りて「自然の偉大さ」や「もの作り文化」を身近に感じるために、野焼きによる作品づくりをやってみましょう。
野焼きのこんなところがすばらしい!
やきものとしては低温焼成のため、比較的短時間で焼き上がり、”やきもの”を身近に感じるよい機会となる
焼かれていく様を肉眼で見ることができ、臨場感あふれる炎など自然との関わりをダイレクトに味わえる
身近な土を使うこともでき原料から焼き上げまで主体的に関われるため、大きな達成感が得られる
2.野焼きの性格(理解したいリスク)
⚠️野焼きは天候を始め自然の条件にあわせて行うため失敗が多く、リスクの高い焼き方です
作品の乾燥不足や急熱急冷による破裂、他のものとの接触による破損が頻繁に起こる
突風やにわか雨による予期せぬ危険を伴う
裸火によるやけどや日焼け、角膜やけど、熱中症、体力や水分の消耗による衰弱が大きい
火災の危険性や高熱が周辺に及ぼす悪影響
3.参加者それぞれの注意点
▼スタッフさん
チーフ(焼成責任者)の指示に従い行動
寝不足や風邪などに注意し、体力的および精神的に余裕をもったスケジュールを組んで当日を迎えてください。万が一周りに迷惑をかけそうな事態になった場合は速やかに辞退の報告をしてください
安全第一、油断は禁物です(自然に対し謙虚な気持ちで参加お願いします。安全のためにも注意散漫なムードを作らないよう周囲に注意を払うなどご協力ください)
▼焼成に参加するかた (スタッフのサポート)
猛烈に暑い、火の粉が降ってくることに対応します
服装:火に強い素材の長袖(又は腕カバー)、長ズボン、長靴、軍手2枚重ね(又は牛手など。化繊は溶けるので不可)、麦わら帽など(頭、耳、首をおおう)、タオル3枚以上(目だけを開けて顔をおおったり、汗を拭く予備)(写真B↑)
服装以外の持ち物:飲み物、着替え ※その他必要と思うものは自己判断でお持ちいただくかご相談ください
休憩、昼食:自主的に交代でとります
健康管理については、スタッフと同様です
▼見学をされるかた
自然に対し謙虚な気持ちで参加してください。安全のためにスタッフの邪魔にならないよう注意してください。
窯や燃料、道具に近寄らないようにしてください。
地区住民の迷惑になる行為は絶対に避けてください。
※守れないかたはご退席いただく場合があります。事前にエントリーしない方の参加は原則不可(主催者と相談)
4.窯場や燃料(薪など)、道具等の事前準備について
窯場の事前準備:(直径6〜7m前後 ←作品数や大きさにより変動)草を刈り、当日湿り気がないように乾かし、刈った草は処理しておく(引火・延焼の危険があるため)。雨が降りそうなら2〜3日前からおおいをしておく
燃料の適正と管理:薪は湿らないように管理する。生木は使えません。廃材でも構いませんが、化学塗料や化学糊付きはNG、釘は抜いておく
燃料の種類:
焚きつけ用の藁や小枝、新聞紙、ダンボールも便利
焼成のメインは丸太(直径20cm前後×約180cm×50本程度)写真A↑)
攻め焚き(最終の高温を維持する)用の小割りの薪や、燃えやすい材木の薄い端材、杉の小枝など。(写真A↑)
道具:おき(炭)をならすための金属製レーキ2本、作品を動かすための長い木製の棒(3m前後 2本 囲い用の先が細くなっている丸太など)、作品を炙る時に必要な長い板(コンパネを縦に2〜3当分に切ったものなど)、あれば火ばさみ
火災対策:消火のためのバケツと水、あれば放水ポンプなど
消防署等の防災関連団体や、ご近所等に通知しておく(主催者判断にて)
●焼成計画の参考例
高さ20cm厚さ1cm前後の鉢型の作品20点を焼くケース
▼集合
開始の挨拶(スタッフ)
〜8:30 窯場の準備(覆いを取る、草や周囲の清掃、薪などの燃料の確認と設置、道具の確認)
8:30 点呼、開始の挨拶、役割の確認、報告事項伝達
8:40 作品の設置
▼焼成〜後片付け
9:00 安全祈願〜準備ができ次第点火
炙り焼|火から1m以上離したところに板を固定し作品を並べる。風向きを確認し臨機応変対応する。(写真C↑)
〜10:00 まんべんなく回転させながら焼く。素手で触れないくらい熱くなる。急いで火に近づけない
〜11:00 直立の作品は、倒して上部底部も焼く。厚みのある作品は2.〜3.の時間を長くとる
11:00ころ 板をはずし、火に近づけながらムラなく炙る。炙り足りない作品がないようにする
11:30ころ 作品を炎から少し離し中央のおきを幅1mほどよける。→作品を設置する。→炎が直接作品に触れない距離で、ゆっくりペースで薪をくべる
12:00ころ 少しずつ火力を上げながら、作品を炎を近づけていき、縦長の作品は倒し裏に火を当てる
13:00ころ 短時間で燃える小枝、かやなどの燃料で一気に火力を上げ燃やし切る〜薪くべを完了
そのまま炎がおさまるのを待ち、燃えカスがなるべく無いよう広げ、適度なタイミングで作品を窯から取り出す。
14:00ころ 焼成終了 〜消火と後片付け